Wiredで面白い記事を見つけた。
オーストラリアのマシュー・ダンカン氏が製造した津波用シェルターの記事だ。
形状はアニメ『エヴァンゲリオン』のエントリープラグを彷彿とさせる。
津波で流され、衝撃を加えられても壊れにくい形状を追求したらこうなったそうだ。


日本というのは非常に狭い国だ。
こんな島に大量の人口と文明を詰め込んだ国はそうそうないと思う。
漁業は昔から盛んで、今でも海外から日本の海産物の評価は高い。
しかし不思議なことに日本で建てられている家は山の中も海の近くもほとんど変わらないのである。
もちろん窓が二重だとか、海水の塩分への対策など細かい部分では配慮されているが、基本的に土台があって、壁があって、屋根があってという形状で、どの家も地面にしっかりと足をつけている。
この足をつけているという点がちょっと問題というか、地震大国、津波と古くから付き合いのある国には合わないのではないだろうか。
いっその事日本の海沿いをヴェネツィアのような水上都市にしてはどうだろうか。
津波用シェルターを元に家をデザインし、海の上に浮かべる。
いざ津波が来ても流されはするが、家はなくなることはない。
そもそも防波堤や水門は案外すぐ壊れる。
これにはきちんとした理由がある。
それらの建造物は押しには強くても引きには弱い造りだからである。
浜辺で遊んでいたらわかる通り、波は陸に打ち上げられた後、海の方へ引いていく。
津波もこれと同様に防波堤を一度乗り越えたら、海に戻ろうとする。
この戻ろうとする引きのエネルギーに壁は脆いのである。
実を言うと防波堤のこの脆さは随分前から地質関係や建築関係の人達から指摘が会った。
しかし工事の費用やメンテナンスの手間から引きへの対策は除外されたのだ。
だからといって、私は除外した彼らを袋叩きにしようとは思わない。
メンテナンスをきちんとするには人材も資金も材料も必要だ。
景気が良い時ならともかく、不景気になるとそれらを確保するのは容易ではない。
結果、いつぞやのトンネル事故のようにメンテナンス不足から事故が起きてしまう。


合気道の世界では相手の攻撃を鋼鉄の体で受け止めるのではなく、脱力して受け流す技が用いられている。
アベノミクスにより公共事業が注目され始めた現在、自然災害へ対抗できる文明を作るのも大切かもしれないが、自然災害を受け止め、上手くかわす方法も考えてみてはどうだろうか。