今月八日、三鷹で起きたストーカー殺人事件について、メディアはこのような流れで報じている。
事件発生翌日の朝刊では現場の状況について、昨日は犯人の趣味について。
昨晩には動画共有サイトで被害者の過去の動画や写真が上がっていたので、今日辺りから「でも、被害者の女の子も軽率よね」という意見が巷でちらほら流れる頃だろう。
この手の事件に関する世論というのは私が幼い頃から一向に変わっていない。
これはテレビや新聞の報道内容が陳腐なのと事件に対するコメンテーターがナンセンスだからだと思っている。
率直に言うと、今の報道はストーカー事件が今後起こらないようにする方向へ持っていっていないのだ。
今回は、私ならどのような取材をするのかを二つ述べる。


一つ目は、現在ストーカーの被害に遭っている女性をサポートしている団体を取材する。
今回の事件に対してもマスコミは警察の対応の不十分さについて指摘している。
確かに警察にも反省すべき点はあるだろう。
しかし、警察を責めてばかりでは進歩がない。
そこで頼りにすべきなのが、NPO法人や任意のボランティア団体の活動である。
これだけストーカーによる事件や迷惑行為が過去から積み重なっていれば、各都道府県に必ず一つはストーカーに関する相談を受け付け、サポートしてくれる団体があるはずである。
私が報道の人間なら、代表的な団体に取材を申し込み、支援内容や今後の課題について調査をする。


次に(ストーカー被害の経験有無に関わらず)町の人に、今後どのような支援が必要だと思うのかを取材する。
このような事件は交際中の縺れが原因で発生することが多い。
事前にストーカー被害に遭わない、または男性側がストーカーにならないためにはどのような支援があれば助かるのか国民のニーズを確かめる必要がある。


日本の報道というのは感情に訴える内容が多い。
情報を受け取る側も感情的になり、生産性のない議論とも言えない罵声ばかりを吐くだけで終わっている。
今回の記事ではマスコミを指摘する内容を書いたが、家でお菓子を食べながらマスゴミ呼ばわりだけしている人もナンセンスだ。
自分の問題と捉え、まず自分の町ではどのような支援があるのか調べてもらいたい。