中古カメラ屋の店主と話し込んだ。
話題はコンタックスT2というカメラについてだ。
昔からのカメラ好きでこのカメラを知らない人はいないのではないだろうか。
私も父の影響でこのカメラに未だ魅せられている。
このカメラは造りが非常に頑丈で、発売から二十年たっても現役で使っている人がいる。
頑丈だけが取り柄ではない。
レンズはカールツァイスで、シャッターボタンからファインダーまでもが丁寧に造り込まれている。
長く使い続けられるのはフィルムカメラの特権だ。
一方デジタルカメラの世界では新しい機種が出ると、前の世代のカメラは時代遅れになる。
今時500万画素のデジカメを有り難く買う人はいないだろう。
1000万画素を超えるのが当たり前になってきたからだ。
メーカーも新機種を発表すると前の機種と比較して「ほら、前の物よりこっちの方が優秀でしょ」というアピールをする。
古い機種が切り捨てられていくのがデジタル製品の世界なのだ。


さて、明日はいよいよ投票日だ。
自民党の安倍晋三総裁は随分前から民主党の失敗を挙げて、それを指摘してきた。
いや、新聞やネットを見ていると、出てくる政党が揃いも揃って民主党の汚点を列挙し「私の政党ではそんな失敗を致しません」と叫んでいる。
国民はどうだろうか。
テレビや動画共有サイトで脚光を浴びている政党や立候補者に目が行き、そこに一票を入れようとしていないだろうか。
第16代アメリカ合衆国大統領のリンカーンは「一票の方が一発の銃弾より強い」という名言を残している。
投票に行けるということは名誉なことで、責任を負うということなのだ。
家電屋のカタログを見ているのとは違う。
前の政党よりマシという考えだけで投票していいものではない。
本来憲法改正や国防軍など国民は望んでいなかったはずだ。
大震災の影響で帰宅できない人や米軍の騒音に悩まされている人がいる。
最優先でしなければいけないことはたくさん残されている。
明日の投票前にこの国にとって何が必要なのか、全員でもう一度考え直すべきだろう。


例の店主は毎日コンタックスのカメラを使い続けている。
デジタルカメラは買う気にならないそうだ。
私がその理由を尋ねると、店主は「前の世代を馬鹿にして新しい物を作るやり方は好かん」と断言した。
忘れてはならない。前回民主党を選んだのも我々国民なのだ。


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